JR九州筑豊本線直方駅は、明治24年開業、九州で最も古いクラスに属する駅舎である。
直方駅は筑豊炭田の中心地で、八幡製鉄所や若松港への石炭輸送の中核駅でもあった。それを象徴するかのように、昭和29年駅頭に、削岩機を持つヤマの男の像が建てられた。
が、日本の経済発展に貢献した石炭産業が完全に閉ざされた今、人の意識も変化してしまったのか、平成8年、駅前ロータリー改築を機に、「今となっては見苦しい」という行政側の理由から、「坑夫の像」は同駅頭から撤去された。
当初はそのまま壊してしまう予定であったが、一部の市民グループから「何とか残してほしい」との声もあり、平成8年11月、直方市役所付近の遠賀川中洲に移設された。
現在、直方駅前には筑豊炭田を背景に明治時代から炭鉱機械修理などを手がける鉄工業が盛んであったことを象徴して、機械部品の歯車のモニュメントが坑夫の像に代わって飾られている。
「坑夫の像」から歯車のモニュメントに代わった直方駅前ロータリー
三本柱の車寄せが直方駅の特徴
あまり目立たない遠賀川中州に移設された「坑夫の像」
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