三井鉱山と宇部興産の違いは、三井鉱山は過去のものとなったが、宇部興産は炭鉱閉山後も化学部門に力を注ぎ、現在も宇部市形成の一翼を担っているという点であろう。その製品はデジタル家電や家庭用品、自動車部品、医薬品等、身近なものから最先端の航空宇宙分野まで、幅広く活用されている。それだけに、「今日の社業の基盤は炭鉱の遺産に負うところ大なるものがある」とし、その象徴として沖ノ山電車竪坑遺構等が自らの手で大切に保存されていた。
沖の山コールセンター(海外炭集積基地)(2005年7月27日撮影)
沖の山コールセンターは、主に豪州から輸入された石炭を、電力・セメントをはじめとする国内石炭ユーザーに安定供給するための輸入中継基地で、年間取扱能力600万トンであり、日本では最大級の規模を誇る。
宇部興産叶ウ門から望むこの沖の山コールセンターは、案内人の話によると、「以前は炭鉱社宅があった所」であるという。
西沖ノ山踏切(2005年7月27日撮影) JR居能駅から宇部港線(貨物線)が分岐、宇部港から宇部興産の工場まで専用鉄道が延びていた。宇部興産はその後石灰鉱山と工場間の宇部興産専用道路を建設、現在はトラック輸送に置き換えられ、鉄道は廃止されている。
貨物駅の宇部港駅事務所(2005年7月27日撮影)
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